三宅洋平は「ナチズムの先兵」の差別主義者なのか
三宅洋平氏は、もちろん「ナチズムの先兵」の差別主義者ではありません。 まして「親学」の推進者であろうはずがありません。 それなのに、なぜそのような批判が絶えないのか、考えてみます。 * * * 三宅洋平氏は、過去に「障害を持つ子を産んだ人も、そのことを反省しつつ」と発言しました。 これについて、彼は、「反省」という言葉を使ったことにより、「障害」児者やその家族を傷つけてしまったことを認め、 謝罪の言葉を述べています。 この発言のもともとの意図は、食べ物を含め環境からの化学物質が、親の体に蓄積することで、その子どもに「障害」が引き起こされる可能性を指摘したものです。 つまり、これは環境問題の視点からの発言なのです。 ところが、この三宅氏の発言をとらえて、ナチスの「優生思想」や「親学」とつなげて考えようとする方々がいます。 * * * 「優生思想」は、「障害」者を劣ったものであり、その原因は遺伝にあると考え、その生きる権利を様々に剥奪しようとする大変危険な考えです。 しかも、ナチス・ドイツはこの考えに基づいて、実際にユダヤ人と障害者の虐殺を行ないました。 このような悲劇が繰り返されないように努めることは当然のことです。 三宅氏が環境中の化学物質の問題について、「障害」児者の親に反省を求める発言をしたことは問題ですが、彼は「障害」児者が劣った存在であるというような発言はしていませんし、遺伝の問題についても何も言っていません。 ただ、化学物質の毒性の問題を語っているだけです。 「障害」児者とその家族を傷つけるような発言をしたことを根拠に、彼を「差別主義者」であり「優生思想」の持ち主であると見なすことは不可能としか言いようがありません。 * * * 「親学」は、自民党政権が提唱する戦前回帰的な家庭内教育の思想です。 (参考: 親学のムック) 「戦前のような教育を家庭でできるようにすれば、発達障害が防げる」とでもいうような奇妙な主張をしているのですが、学校教育を管理教育にするとともに、家庭内にもそれを補完する体制を作り上げることを目指していると考えられます。 子を育てる親の責任を問題とし、親の育て方を国家が管理しようとしている、ということができるでしょう。 一方、三宅氏は、親の