三宅洋平の「カリスマ」は「カルト」じゃない
[この記事のまとめ]
・三宅洋平氏の「カリスマ」には可能性があります。
・彼の政策で最重要な点は、「反戦・反原発」です。
・その「カリスマ」に「カルト的」なものを見る人もいますが、その二つは区別できます。
・三宅氏を応援するものとしては、彼が「カルト」になってしまわないように、きちんと批判しつつ応援していくことが必要と考えます。
* * *
三宅洋平氏が参院選後に安倍昭恵氏と会食し、その後、沖縄高江のヘリパッド建設反対運動の現場に同行したことで、ネット上では、三宅氏を非難する声が多く見受けられます。
反対運動の現場の方々に十分な説明もないまま昭恵氏に同行し、現場を混乱させたことは問題ですが、そのことを理由に三宅氏を「運動」から「排除」しようとするかの発言には、まったく不可解なものを感じます。
どうして三宅氏の「カリスマ」を「運動」に生かすことができないのでしょうか。
「運動系」の人たちの中には、三宅氏の「非科学的・非論理的」な部分を批判する声があります。
そうした、はじめから三宅氏に批判的な人たちが、今回の件を使って三宅氏を「排除」しようとしているようにも見えます。
あからさまに「非科学的・非論理的」であることは問題を引き起こすこともありますが、昭恵氏と高江に同行したことは、その意味では問題とは思えません。
彼は、安倍政権を批判はしていますが、同時に対話の重要性も強調しています。
高江でヘリパッドの建設が強行される中、安倍昭恵氏と会食し、昭恵氏を高江に案内したことは、時期的にも、説明責任的にも問題のある行動ですが、彼の主張する対話の姿勢からすれば一貫性のあるものです。
「選挙フェス」の「盛り上がり」を冷静に見れば、そこに多くの人が集まっている状況が、他の立候補者のような支持基盤による動員とは違うことははっきりと分かるはずです。
それにはいろいろな要因があるでしょうが、三宅氏の打ち出している反戦・反原発の明確な姿勢が大きく影響しているものと思われます。
政策においては、彼は、自衛権のみを許すという形で、憲法の九条を強化改憲するという提案をしています。
この案については、実現性にも実効性にも疑問を感じますが、これがいわゆる「改憲派」の戦前回帰を目的とする「全体主義憲法」と異なることは誰の目にも明らかで、このことを理由に彼を「改憲派」としてひと括りにするのは、おかしな議論でしょう。
反戦・反原発という主張において意見を同じくする人は、彼を積極的に応援してよいはずですし、少なくとも足を引っ張るような発言をすることは慎むのが筋ではないでしょうか。
ただし、今回の沖縄高江の件のように、現場の人が怒りの声を上げることは別です。
現場で虐げられている人の痛みが分からなければ、「反戦・反原発」もただのお題目になってしまいます。
高江のテントで、ある男性が、
「話を聞いてわかったのは、あたなは何十年間も虐げられている沖縄の人の気持をあまり理解していない」
というのに対し、三宅氏は、
「完璧にはわかっていないが、ないちゃーの中ではわかっていて、そのために動いていて、ヤマトの人たちにも声をかけ続けていると思う」
と言っています。
(やりとりの言葉はIWJのツイッターより)
三宅氏の言葉の意味は理解できますが、このとき必要だったのは自己弁護の言葉ではなく、自分が何を「理解していない」と言われたのかを、きちんと考え、相手の気持ちを受け止めた上で謝罪することだったと思います。
しかしながら、完全な人間などいるわけがないのですから、彼がこの経験を生かして、「虐げられている」人たちの気持ちをきちんと理解できる人間へと変わっていってくれることを切に期待します。
* * *
三宅氏の「非科学性・非論理性」の問題から、彼が社会に与える影響自体が「カルト的」で危険なものだ、という主張もあります。
しかし、人間というものは必ずしも「科学的・論理的」に生きるものではありません。
また、「科学的・論理的」な思想が、「原爆」や「原発」を産んでしまったことも忘れるべきではありません。
三宅氏は「陰謀論者的・カルト的」な傾向を確かに持っています。
けれど、それは、若く未熟な彼が、日本という社会の「非論理性」の影響を受けた結果に違いありませんから、その点においては彼は被害者であると言えるでしょう。
とすれば、「科学的」で「論理的」な方々は、三宅氏の「蒙昧」を「啓蒙」することで、彼が「カルト」になってしまわないように手助けをする義務がある、と言っても言い過ぎではないのではないでしょうか。
「反戦・反原発」を言う三宅氏の「カリスマ」をぼくは信じます。
同時に彼が「陰謀論」を卒業して「カルト」の烙印を押されなくなることを期待します。
そして何より、彼が社会的弱者の気持ちときちんと向き合える人間になってくれることを、願います。
「反戦・反原発」の主張をともにする皆さんには、三宅氏を批判的に応援してくださるよう、ぜひお願いいたします。
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☆こちらもどうぞ
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・三宅氏を応援するものとしては、彼が「カルト」になってしまわないように、きちんと批判しつつ応援していくことが必要と考えます。
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三宅洋平氏が参院選後に安倍昭恵氏と会食し、その後、沖縄高江のヘリパッド建設反対運動の現場に同行したことで、ネット上では、三宅氏を非難する声が多く見受けられます。
反対運動の現場の方々に十分な説明もないまま昭恵氏に同行し、現場を混乱させたことは問題ですが、そのことを理由に三宅氏を「運動」から「排除」しようとするかの発言には、まったく不可解なものを感じます。
どうして三宅氏の「カリスマ」を「運動」に生かすことができないのでしょうか。
「運動系」の人たちの中には、三宅氏の「非科学的・非論理的」な部分を批判する声があります。
そうした、はじめから三宅氏に批判的な人たちが、今回の件を使って三宅氏を「排除」しようとしているようにも見えます。
あからさまに「非科学的・非論理的」であることは問題を引き起こすこともありますが、昭恵氏と高江に同行したことは、その意味では問題とは思えません。
彼は、安倍政権を批判はしていますが、同時に対話の重要性も強調しています。
高江でヘリパッドの建設が強行される中、安倍昭恵氏と会食し、昭恵氏を高江に案内したことは、時期的にも、説明責任的にも問題のある行動ですが、彼の主張する対話の姿勢からすれば一貫性のあるものです。
「選挙フェス」の「盛り上がり」を冷静に見れば、そこに多くの人が集まっている状況が、他の立候補者のような支持基盤による動員とは違うことははっきりと分かるはずです。
それにはいろいろな要因があるでしょうが、三宅氏の打ち出している反戦・反原発の明確な姿勢が大きく影響しているものと思われます。
政策においては、彼は、自衛権のみを許すという形で、憲法の九条を強化改憲するという提案をしています。
この案については、実現性にも実効性にも疑問を感じますが、これがいわゆる「改憲派」の戦前回帰を目的とする「全体主義憲法」と異なることは誰の目にも明らかで、このことを理由に彼を「改憲派」としてひと括りにするのは、おかしな議論でしょう。
反戦・反原発という主張において意見を同じくする人は、彼を積極的に応援してよいはずですし、少なくとも足を引っ張るような発言をすることは慎むのが筋ではないでしょうか。
ただし、今回の沖縄高江の件のように、現場の人が怒りの声を上げることは別です。
現場で虐げられている人の痛みが分からなければ、「反戦・反原発」もただのお題目になってしまいます。
高江のテントで、ある男性が、
「話を聞いてわかったのは、あたなは何十年間も虐げられている沖縄の人の気持をあまり理解していない」
というのに対し、三宅氏は、
「完璧にはわかっていないが、ないちゃーの中ではわかっていて、そのために動いていて、ヤマトの人たちにも声をかけ続けていると思う」
と言っています。
(やりとりの言葉はIWJのツイッターより)
三宅氏の言葉の意味は理解できますが、このとき必要だったのは自己弁護の言葉ではなく、自分が何を「理解していない」と言われたのかを、きちんと考え、相手の気持ちを受け止めた上で謝罪することだったと思います。
しかしながら、完全な人間などいるわけがないのですから、彼がこの経験を生かして、「虐げられている」人たちの気持ちをきちんと理解できる人間へと変わっていってくれることを切に期待します。
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三宅氏の「非科学性・非論理性」の問題から、彼が社会に与える影響自体が「カルト的」で危険なものだ、という主張もあります。
しかし、人間というものは必ずしも「科学的・論理的」に生きるものではありません。
また、「科学的・論理的」な思想が、「原爆」や「原発」を産んでしまったことも忘れるべきではありません。
三宅氏は「陰謀論者的・カルト的」な傾向を確かに持っています。
けれど、それは、若く未熟な彼が、日本という社会の「非論理性」の影響を受けた結果に違いありませんから、その点においては彼は被害者であると言えるでしょう。
とすれば、「科学的」で「論理的」な方々は、三宅氏の「蒙昧」を「啓蒙」することで、彼が「カルト」になってしまわないように手助けをする義務がある、と言っても言い過ぎではないのではないでしょうか。
「反戦・反原発」を言う三宅氏の「カリスマ」をぼくは信じます。
同時に彼が「陰謀論」を卒業して「カルト」の烙印を押されなくなることを期待します。
そして何より、彼が社会的弱者の気持ちときちんと向き合える人間になってくれることを、願います。
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