ヴィパッサナー随想 #3 -- 砂漠のほとりで迷想三昧
[写真はプシュカルの街なかを歩く駱駝] |
みなさん、こんにちわ。
ぷちウェブ作家のとし兵衛です。
日本はもう桜の季節でしょうか。タイは今日も涼しめですが、やっぱり暑いです。
前回は、ヴィパッサナーとは「物事を正しく見るための瞑想法」である、という説明をしましたが、今回からは、2011年の暮れにインドのプシュカルで、ぼくがヴィパッサナー瞑想の10日間のコースに出たときの話を書きます。
ちなみにプシュカルというのは、デリーの南西 400キロほどのところにある小さな街で、ラジャスタンという州に属します。
プシュカルはヒンズー教の聖地の一つで、ほかにはあまりないブラーフマン神を祀る寺があることで有名なのですが、ブラーフマンというのは、仏教では梵天として知られる神さまです。
ヴィパッサナーの瞑想センターまでは、ブシュカルの街から更に三十分ほどバスに乗っていくことになります。
周りは半砂漠で、草木こそ生えていますが、人家などはあまりなく、毎日給水車がやってきて水をタンクに入れていくような、不便ですが、ひなびて気持ちのいいところです。
ちなみにぼくが受けたヴィパッサナーのコースというのは、インドの故S・N・ゴエンカ氏が広めたもので、世界各地にたくさんのセンターがあり、日本でも千葉と京都の二ヶ所にあります。
さて、その瞑想センターで、朝4時に起きてから夜9時に眠るまで、瞑想三昧の10日間を送るわけですが、それまでのぼくの経験といったら、ぼくより先に10日間のコースに参加した奥さんに誘われてたまに夜1時間ほど座る、といった程度のもので、しかも日に10時間は寝させて欲しいというくらい睡眠好きのぼくですから、正直、そんなコースに耐えられるのか、特に自信はありませんでした。
けれど、人間やるときは思い切ってやるしかないのだと、そんな程度のいい加減な決意だけは持ち合わせていたので、とにかく新しい経験を求めて10日間のコースに飛び込んだのでした。
そして、第〇日目(前日にセンター入りし、翌日朝からがコースの本格的な開始の第一日目となります)、三人部屋で同室になった、真面目そうで感じのいいトニーというアメリカ人から
"So are ready to change?" 「で、変わる準備はできてるの?」と聞かれ、
"Yeah" 「もちろん」と、映画の場面にしてもおかしくないようなかっこいいやりとりをしたまでは良かったのですが、それはまだ、翌日から地獄の日々が始まるとは知らない時点でのお話だったのです(笑)。
と、本日はコースがようやく始まるところまでです。
以上、今日もご精読ありがとうございました。
☆続きはこちらです。
[ヴィパッサナー随想 #4 -- 不真面目でいい加減なぼくの迷想術]
[なお、ゴエンカ氏方式のヴィパッサナーについては、次の本がありますので、よろしかったらどうぞ]
ウィリアム・ハート「ゴエンカ氏のヴィパッサナー瞑想入門―豊かな人生の技法」(春秋社1999)
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