[本の紹介]不思議な双子の物語、Naho & Maho「あーす・じぷしー」
Naho & Maho「あーす・じぷしー」 [Kindle版] [単行本]
この本は、「あーす・じぷしー」という名前で、世界中、気ままに旅をしながら、自由な人生を生きる実験をしている双子の姉妹、なほとまほの自伝的な物語です。
双子の物語ではありますが、実際には妹のまほが語り手であり、主人公です。まほの「そぱ」には、姉のなほがいつも寄りそいたたずんでいます。
なほとまほは双子であるがゆえに、子どもの頃には互いにテレパシー的な感覚があって、永遠あいこができました。
二人でじゃんけんをして、片方は出す役、片方は読む役。そうするといつまでもあいこを続けられたのです。
また、まほは、幽霊やお化けもよく見ていて、亡くなったおじいちゃんにも会ったことがあるような、霊感の強い人です。
そして、彼女は共感覚の持ち主であり、音や人、場所に色がついて見えていました。色とりどりの楽しい毎日を生きていたのです。
ところが大人になるにつれ、そんな感覚も消えていきます。お金のこと、就職のこと、仕事のこと、人間関係のこと、そうしたことで頭がいっぱいになるにつれて、子どもの頃の「楽しい感覚」を大事にできなくなってしまったのです。
大分出身のまほは、デザイナーになるという子どもの頃からの夢をかなえるために、専門学校に行き、大阪で就職します。けれども、憧れのブランドの会社に入ったのに、なぜか充実感はなく、一年足らずでやめてしまいます。
そして、実家に帰り、寝る時間も惜しんで働き、お金を貯め、東京の難しい洋服の学校に入り直します。そうすることで、デザイナーとしての新しい道が開けるはずだと思ったのです。
* * *
さて、東京では何がまほを待ち受けていたのでしょうか。
それは、さまざまな、人や出来事との出会いです。
道端で運命的に出会った、同じ九州出身の若者二人。二人は、日本の枠にしばられず、この世界を自由に生きています。
また、まほは 2011 年 3 月 11 日の大地震を、アルバイト先の新宿の電器屋で経験します。
まほの心は、この地震に大きく揺さぶられ、せっかく決まった内定も辞退してしまいます。デザイナーになる、という「夢」を捨てたのです。3.11 から半年ほど経った頃のことです。
そして、まほは、「ワクワクして生きなさい」という言葉を胸に、行き先の見えない、不思議な旅を始めることになるのです。
* * *
パウロ・コエーリョの「アルケミスト」、シャーリー・マクレーンの「アウト・オン・ア・リム」、ブログで知った青年との出会い、その青年からのつながりで知った作家からのアドバイスなど、たくさんの「前兆」がまほを旅へと導いて行きます。
そして、無謀とも言えるような、直感にだけしたがった旅は、彼女をペルーにまで呼び寄せ、シャーマンの儀式へと立ち会わせることになります。
ペルーの小さな村の、さらに人里離れた小さな家で、聖なる真実アヤワスカが彼女に見せるビジョンは圧巻です。
すべての空想が現実になり、あまたの時代の様々な人生を、彼女は自分のものとして経験します。
自分が双子の姉とともにこの世に生まれる瞬間を、強烈な喜びを感じながら再体験します。
そして、そうした「光」の面からさらに進み、世界の「影」の面、自分の感覚が当てにならない、どこにも確かなものがない、一人ぼっちの孤独な宇宙をも見せつけられます。
「もう元には戻れない」という恐怖を味わい尽くしたあとで、ようやく彼女は、「戻る」のではなく「選ぶ」ことによって、この世界に戻ってきます。
粉々に砕けてしまい、形を失ってしまった世界が、そして秩序が、再生するのです。
こうした断片的な記述では、彼女の体験を十分には伝えられませんので、そうした神秘体験や、変性意識について興味のある方は、ぜひ「あーす・じぷしー」という本を手にとって読んでほしいと思います。
この本は、ハクスリーの「知覚の扉」やカスタネダのドンファン・シリーズと並べてもおかしくないほどの、日本発かつ日本初の本格的なサイケデリック文学といってよいでしょう。
(ほかに日本産のサイケデリック文学をご存じの方があれば、ぜひご教示ください)
Naho & Maho「あーす・じぷしー」 [Kindle版] [単行本]
なお、聖なる真実アヤワスカの場面は、「あーす・じぷしー」の書籍でしか読めませんが、まほがペルーに至るまでの物語は、ネット上でもほぼ同一の内容が公開されています。
[あーすじぷしー第1話]
以上、不思議な双子の姉妹、「あーすじぷしー」の物語のご紹介でした。
では、また。
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☆こちらもどうぞ
[あーす・じぷしーの物語 - 「思い込み」から自由になるって、どーゆーこと?]
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この本は、「あーす・じぷしー」という名前で、世界中、気ままに旅をしながら、自由な人生を生きる実験をしている双子の姉妹、なほとまほの自伝的な物語です。
双子の物語ではありますが、実際には妹のまほが語り手であり、主人公です。まほの「そぱ」には、姉のなほがいつも寄りそいたたずんでいます。
なほとまほは双子であるがゆえに、子どもの頃には互いにテレパシー的な感覚があって、永遠あいこができました。
二人でじゃんけんをして、片方は出す役、片方は読む役。そうするといつまでもあいこを続けられたのです。
また、まほは、幽霊やお化けもよく見ていて、亡くなったおじいちゃんにも会ったことがあるような、霊感の強い人です。
そして、彼女は共感覚の持ち主であり、音や人、場所に色がついて見えていました。色とりどりの楽しい毎日を生きていたのです。
ところが大人になるにつれ、そんな感覚も消えていきます。お金のこと、就職のこと、仕事のこと、人間関係のこと、そうしたことで頭がいっぱいになるにつれて、子どもの頃の「楽しい感覚」を大事にできなくなってしまったのです。
大分出身のまほは、デザイナーになるという子どもの頃からの夢をかなえるために、専門学校に行き、大阪で就職します。けれども、憧れのブランドの会社に入ったのに、なぜか充実感はなく、一年足らずでやめてしまいます。
そして、実家に帰り、寝る時間も惜しんで働き、お金を貯め、東京の難しい洋服の学校に入り直します。そうすることで、デザイナーとしての新しい道が開けるはずだと思ったのです。
* * *
さて、東京では何がまほを待ち受けていたのでしょうか。
それは、さまざまな、人や出来事との出会いです。
道端で運命的に出会った、同じ九州出身の若者二人。二人は、日本の枠にしばられず、この世界を自由に生きています。
また、まほは 2011 年 3 月 11 日の大地震を、アルバイト先の新宿の電器屋で経験します。
まほの心は、この地震に大きく揺さぶられ、せっかく決まった内定も辞退してしまいます。デザイナーになる、という「夢」を捨てたのです。3.11 から半年ほど経った頃のことです。
そして、まほは、「ワクワクして生きなさい」という言葉を胸に、行き先の見えない、不思議な旅を始めることになるのです。
* * *
パウロ・コエーリョの「アルケミスト」、シャーリー・マクレーンの「アウト・オン・ア・リム」、ブログで知った青年との出会い、その青年からのつながりで知った作家からのアドバイスなど、たくさんの「前兆」がまほを旅へと導いて行きます。
そして、無謀とも言えるような、直感にだけしたがった旅は、彼女をペルーにまで呼び寄せ、シャーマンの儀式へと立ち会わせることになります。
ペルーの小さな村の、さらに人里離れた小さな家で、聖なる真実アヤワスカが彼女に見せるビジョンは圧巻です。
すべての空想が現実になり、あまたの時代の様々な人生を、彼女は自分のものとして経験します。
自分が双子の姉とともにこの世に生まれる瞬間を、強烈な喜びを感じながら再体験します。
そして、そうした「光」の面からさらに進み、世界の「影」の面、自分の感覚が当てにならない、どこにも確かなものがない、一人ぼっちの孤独な宇宙をも見せつけられます。
「もう元には戻れない」という恐怖を味わい尽くしたあとで、ようやく彼女は、「戻る」のではなく「選ぶ」ことによって、この世界に戻ってきます。
粉々に砕けてしまい、形を失ってしまった世界が、そして秩序が、再生するのです。
こうした断片的な記述では、彼女の体験を十分には伝えられませんので、そうした神秘体験や、変性意識について興味のある方は、ぜひ「あーす・じぷしー」という本を手にとって読んでほしいと思います。
この本は、ハクスリーの「知覚の扉」やカスタネダのドンファン・シリーズと並べてもおかしくないほどの、日本発かつ日本初の本格的なサイケデリック文学といってよいでしょう。
(ほかに日本産のサイケデリック文学をご存じの方があれば、ぜひご教示ください)
Naho & Maho「あーす・じぷしー」 [Kindle版] [単行本]
なお、聖なる真実アヤワスカの場面は、「あーす・じぷしー」の書籍でしか読めませんが、まほがペルーに至るまでの物語は、ネット上でもほぼ同一の内容が公開されています。
[あーすじぷしー第1話]
以上、不思議な双子の姉妹、「あーすじぷしー」の物語のご紹介でした。
では、また。
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