支配階層に入ること、支配・被支配関係から抜けること

今日は謎の投資家ガメさんの [ラットレースから抜け出す] という記事について書きます。

出だしは黒いですが、最終的に「ガメさん♡」になります。

*  *  *

ガメさんのこれは、嘲笑なのだろうか、黒い冗談なのだろうか、それとも、お金持ちの戯言(たわごと)なのかしら?

どうしてあんなに手放しで資本家を礼賛することができるのか、ぼくには分からないんですよね。

でもぼくは、別にガメさんが嫌いだからこんなことを書いているわけではない。

イギリス出身の覆面投資家にして、日本語堪能な天才青年(というには少し歳をくってるか)である彼の weblog や twitter はいつ見てもおもしろい。

一度一緒に酒でも飲んだら、どんなに楽しい話ができるだろうかと、わくわくするくらい、ネット上で見る彼の言葉と、その人格には惚れている。

...... と、ここまで書いたところで一休みして、Medium に記事など書いてたら、初めの問いに対する答えが分かってしまった。

ガメさんは支配階層の人間であり、日本の中の才能ある、支配階層に入る力はあるのに、「日本的」システムの中に閉じ込められているため、支配階層に入れないでいる人に対して「きみにもできるよ」と呼びかけてるわけだ。

支配階層に入れない人のことは、はなから相手にしてないし、入れると勘違いして自滅する人のこともどうでもいい。

それが「欧米」流の支配階層の価値観ってわけですか。なるほど。

「日本的」システムの中に閉じ込められている人に呼びかけたい気持ちは、ぼくも一緒なんだけど、方向がちょい違ってたんだ。

支配階層に入りたい人は入ればいい。

でも、支配・被支配の関係から抜け出すほうが、ぼくの場合、好みってことです。

もちろん投資をして「悠々」と暮らすことのできる人は、そうすればいいでしょう。

でも、多くの人はガメさんのように「悠々」とはできない。

投資をしながらも、日々の雑事に追われながら、なんとか生きていくだけになってしまわないでしょうか。

支配階層に入るのも、投資をして儲けるのもいいけど、それは手段であって、目的ではない。

日々を「悠々」と生きることこそが、目的ですよね、例えば。

そのためには本当はお金なんていらないんであって、それはインドに行って路上で暮らす行者をよく見れば分かること。

もちろん、多くの行者は「悠々」とは生きていません。

かつかつで生きているような人も多いし、銭稼ぎに一所懸命な行者もいる。

だけど中には、無一文、無一物で、「悠々」と暮らしてらっしゃる方がいます。

そして、支配階層に入ることができる人は限られていますが、行者になることは誰にでもできます。

「悠々」と暮らせるようになる人は、その中のごく一部でしょうが、支配階層についてもそれは同じこと。

だからぼくは「上に行こう」と誘うよりは、「横にそれよう」と誘いたいのです。

ガメさんがおっしゃる「視点を変えることで金鉱が見つかる」ということは、まったくその通りだと思います。

そして、そのとき、もう一段階、視点を変えることによって、「お金ではないものに金鉱を見つける」ことができたとき、人は本当の意味で「悠々」と生きることができるようになるのではないでしょうか。

そして現に、ガメさんは「お金ではないものの金鉱」を見つける才能に長けているからこそ、いつも素敵な文章を授かり、授けてくださるのだと思います。

てなわけで、ガメさん、これからもオモロイ文章、よろしくねーー。

それじゃあ、みなさん、ナマステジー!!

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