南米ヤノマミ族の集落シャボノの写真 カルロス・カスタネダの呪術師仲間であり、人類学者でもあるフロリンダ・ドナーは、 「魔女の夢」という本が日本でも出版されています。 この「魔女の夢」という本は、彼女がベネズエラで呪術師として受けた修行を書いたもので、カスタネダの著作と同じく、西洋の近代文明が生み出した合理主義的世界とは異なる、別の論理によって成り立つ世界の持つ豊かさを感じさせてくれる良著です。 カスタネダのファンの方にも、彼の世界の隣の世界を描いた本として、興味深く読めること請け合いです。 (なお、 「魔女の夢」については、こちらにも短い紹介を書いております ) * * * さて、そのドナーに "Shabono" 「シャボノ」という未訳の著書があります。 たまたまサンフランシスコの古本屋で見つけて読んでみたところ、これが滅茶苦茶おもしろい。 こちらは、ドナーが、ブラジルとベネズエラの国境地帯のアマゾンに住むヤノマミという、原初の狩猟採集と素朴な農耕生活をしている人々の村で過ごした体験を描いたものです。 シャボノというのは、ヤノマミの人たちが作る環状の集落のことです。 この本は、人類の始原的生活の形を知る意味でもおもしろいし、エペナという幻覚剤の使用と変性意識の記述も興味深く、また、カスタネダの書く世界とも重なる呪術のあり方も十分に描かれ、一冊で三度おいしいと言いたくなる名著です。 こんなにおもしろい本が未訳のままなのはもったいないので、今この本の翻訳を進めています。 ペーパーバックで 300 ページほどの本ですが、ひと通りの粗訳は紙の上にできあがっていて、現在それを打ち込みながら、訳の直しをしている段階です。 といっても、勝手に訳しているだけで、どこかから出版できる当てがあるわけではありません。 出版社や編集者の方で、興味のある方がおられましたら、sut3t3@gmail.com まで、ぜひご連絡をお願いします。 なお、このヤノマミ族には、嬰児殺しの風習があり、 NHKの番組から劇場公開された「ヤノマミ~奥アマゾン-原初の森に生きる~-劇場版」 でも、その様子が描かれています。 また、番組ディレクターの国分拓氏の書いた 「ヤノマミ」(2013 新潮文庫) も読み応えがあります
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